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日本の宇宙開発最前線:H3ロケットと月面探査

宇宙開発

H3ロケットの成功とSLIMの月面着陸。日本の宇宙開発の現在地を紹介します。

テクノロジー科学#宇宙#H3ロケット#JAXA

日本の宇宙開発最前線:H3ロケットと月面探査

日本の宇宙開発が新たなステージに入っています。次世代ロケット「H3」の打ち上げ成功、小型月着陸実証機「SLIM」の月面着陸成功など、明るいニュースが相次いでいます。日本の宇宙開発はどこまで来たのか、そしてどこへ向かうのかを解説します。

H3ロケット:コスト半減への挑戦

H3ロケットは、JAXAと三菱重工業が開発した次世代基幹ロケットです。2023年3月の初号機打ち上げは失敗に終わりましたが、2024年2月の2号機で見事に成功を収めました。その後の打ち上げも連続して成功し、信頼性を着実に積み上げています。

H3の最大の特徴は、従来のH-IIAロケットに比べて打ち上げ費用を約半分の50億円に抑えることを目指している点です。国際的な衛星打ち上げ市場では、スペースXのファルコン9が圧倒的なシェアを持っていますが、H3はコスト競争力を高めることで市場参入を狙っています。

SLIMの快挙:ピンポイント月面着陸

2024年1月、小型月着陸実証機SLIMが月面への軟着陸に成功しました。日本は、旧ソ連、米国、中国、インドに続く世界5番目の月面着陸達成国となりました。特筆すべきは、着陸精度が100メートル以内という「ピンポイント着陸」技術の実証に成功したことです。

従来の月面着陸は、数キロメートル単位の誤差が当たり前でした。SLIMの技術は、将来の月面探査において、科学的に重要な地点に正確に着陸することを可能にします。着陸時に逆さまの姿勢になるというハプニングもありましたが、搭載した小型ロボットが撮影した画像は世界に配信され、大きな話題となりました。

民間宇宙企業の台頭

日本の宇宙産業では、民間企業の存在感が増しています。ispaceは月面着陸を目指すプログラムを進めており、スペースワンは小型ロケット「カイロス」の開発を続けています。また、アストロスケールは宇宙デブリ(ゴミ)の除去技術で世界をリードしています。

宇宙スタートアップへの投資も増加しており、日本の宇宙産業は官主導から官民連携へと移行しつつあります。政府は2030年代前半までに宇宙産業の市場規模を倍増させる目標を掲げています。

アルテミス計画と日本の役割

NASAが主導する国際月探査計画「アルテミス」において、日本は重要なパートナーとして参加しています。日本人宇宙飛行士が月面に立つ日も、もはや夢物語ではありません。月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」への機器提供や、月面での有人ローバーの開発など、日本の技術が月探査の最前線で活躍することが期待されています。

宇宙開発は、国の技術力と夢の象徴です。H3の安定運用とSLIMの成功を足がかりに、日本の宇宙開発は新たな黄金時代を迎えようとしています。